新型コロナウィルス感染症　Q ＆A（2022/3/14修正,2022/7/23修正、2022/8/2修正、2022/11/30修正、2022/12/25修正）

• Q　どんな症状がありますか？
• Q．かぜ症状がある場合は、どのように対応したらいいですか？ 
• Q．コロナの検査を受けたいのですが？
  
• Q.　コロナ検査はどのような違いがありますか？
• Q．待機期間はどうなっていますか？
• Q.　コロナ感染後、職場に復帰する期間に決まりはありますか？
• Q．コロナ感染で仕事を休んでしまった場合の保障はありますか？
• Q.　コロナで自宅療養中です。気をつけることはありますか？
• Q.　コロナウィルス感染で嗅覚味覚障害になりました。治りますか？

Q　どんな症状がありますか？

イラスト引用元：　忽那賢志；新型コロナ　典型的な症状、経過、重症化のリスク、後遺症について；Yahoo ニュース　

• 通常のかぜとの違い、以下の様な症状がでやすいです。

• 通常のかぜであれば、4－5日で症状は軽快しますが、新型コロナ感染では、1週間以上かぜ症状が続いたあと、何人かの方は重症化することがありました。オミクロン株ではこの期間が短縮し、重症化するケースは3日程度になっています。

最近、わかってきたオミクロン株の特徴です。 陽性者と接触後、比較的早期に症状がでてきます。

• 潜伏期間が短い（２-３日）
• 感染力が強く、家庭内感染率が高い（31-45%）
• 従来型より重症化率が低い
• 初期症状は鼻汁（73％）、頭痛（68％）、倦怠感（64%）、くしゃみ（60％）、のどの痛み（60％）など上気道炎症状が多い
• 従来株より発熱や嗅覚・味覚障害の頻度は低く50％未満

• 60歳以上で死亡率が高くなりますが、若い世代でも亡くなられる方がおられます。
• オミクロン株変異で弱毒化していますが、それでも60歳代以上の方は100人に1人が重症化しています。
• 小児例は重症化率は低いようです。
• 人工呼吸器や薬物療法など治療方法は進歩してきています。

Q．かぜ症状がある場合は、どのように対応したらいいですか？

• 発熱など症状がある場合は、まずは診療時間内に電話で相談してください。　受診時間を指示いたします。
• 発熱や倦怠感など全身症状がない場合は、通常通り受診してください。

Q．コロナの検査を受けたいのですが？

• 症状がある方は、電話でご相談下さい。検査が必要であれば、受診時刻を案内いたします。
• 濃厚接触者の方：行政検査の場合は、医療機関で行う場合と比較し、結果判明までさらに日数がかかりますが、無料でPCR検査を実施できます。当院でPCR検査を実施できますが、初診料など費用負担が発生します。 詳細は、下記のページを参照してください。

• 抗原定性検査：１５分で結果がわかります。発症翌日以降（2－9日目）の抗原検査はPCR検査と同等の診断精度があり、陽性、陰性の確定診断に利用できるようになっています。

• PCR検査: 抗原検査で陰性になっても、感染の疑いが強い方、または濃厚接触者の方に実施します。翌日中に結果を報告いたします。まれに再検査となる場合があり、翌々日の報告になることがあります。

• 無症状で、非濃厚接触者であれば、自費のPCR検査になります。（費用は9,000円です。）

Q.　コロナ検査はどのような違いがありますか？

イラスト引用元：NHK特設サイト新型コロナウィルス

• 検査するタイミングによって診断精度が変わってきます。
• 有症状の方で、発症翌日以降（2－9日）での抗原検査はPCR検査と同等の診断精度があります。当院ではまず抗原検査を行います。15分で結果がわかります。陰性であっても、症状が悪化するようなら再度抗原検査を行います。

• 自宅療養期間内に、症状の変化があり投薬や診察を希望される場合には、かかりつけ医に電話相談してください。電話再診で対応可能です。
• 医療機関、保健所、滋賀県コントロールセンターで協議して、重症度に応じて、自宅療養、宿泊療養、入院のいずれかの指示があります。
• 発熱、倦怠感などインフルエンザ様症状がでてつらくなるかもしれませんが、解熱薬などで経過をみていただいて構いません。呼吸症状が悪化する場合は、重症化の兆候かもしれません。滋賀県でパンフレットが作成されておりますので、ご参照ください。

• 濃厚接触者の調査は、これまで保健所が行ってきましたが、現在は、コロナ感染と診断された方が行うようになっています。
• 濃厚接触者の定義は以下の通りに決められています。
  
  必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離（１ｍ程度以内）で15分以上接触があった場合 

濃厚接触者の方は、コロナ陽性者との隔離開始日を0日として5日間、自宅待機することになっています。

Q.　コロナ感染後、職場に復帰する期間に決まりはありますか？

症状があった感染者の方の退院基準は以下とされています。

① 発症から10日経過、かつ症状軽快後72時間経過した場合

② 症状が改善して24時間経過した後、24時間以上の間隔をあけて2回のＰＣＲ検査が陰性だった場合

そして、厚労省による法規には以下のように記載されています。（感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第 18 条に規定する就業制限の解除に関する取扱いについて　https://www.mhlw.go.jp/content/000627457.pdf）

• 宿泊療養または自宅療養の解除がされれば就業制限も解除としてよいこと
• 宿泊療養又は自宅療養を開始した日から 14 日間経過していれば就業制限解除時にはPCR検査は必須でないこと
• 解除後に勤務を開始する際、職場等に証明を提出する必要はないこと

新型コロナウイルスは発症後7日経つと感染力が急速に落ちます。しかし、PCR検査は感染力のないウィルスのかけらも検出してしまうため、1ヶ月たっても陽性反応がでてしまうこともあります。そのため、職場復帰にはPCR検査の有無は求めないことになっています。

Q．コロナ感染で仕事を休んでしまった場合の保障はありますか？

新型コロナウイルス感染者で就業不能状態になり給与が支給されない場合は、健康保険に加入していれば、休んだ日の4日目からその補償として健康保険から支払われる傷病手当金の申請ができます。いくつか条件がありますが、加入している健康保険組合に問い合わせて下さい。（国民健康保険など、傷病手当金の制度がない保険もあります。）

Q.　コロナで自宅療養中です。気をつけることはありますか？

コロナウィルス初期のころは、発症から7日ほど経過して肺炎など重症化するケースがあることが知られていましたが、オミクロン株による重症化は発症から３－５日で起こることが分かってきました。ですので、発症早期の感冒症状を乗り切れば安心できます。パルスオキシメーターは、保健所から配布されていましたが、現在は、重症化リスクがある方か希望者にのみ配布されるそうです。パルスオキシメーターで９４％以下になると、肺炎に進行している可能性があるため、入院が必要になります。 できれば、パルスオキシメーターを購入しておいてほしいです。

当院受診した患者さんでは、軽症の方もおられますが、強い咽頭痛（ロキソニンでも抑えられないような）、寝れないくらいの倦怠感、39度近くの発熱がみられる方もいます。ワクチンを3回打っていても、強い症状がみられる方もいます。また、中には下痢症状が強くみられる方もいました。これらの症状は大体3日間つづいて、軽快傾向に向かっていきます。

肺炎への移行を示唆する危険な症状として、

①息が荒くなった（呼吸数が多くなった）

②急に息苦しくなった

③日常生活の中で少し動くと息があがる

④胸の痛みがある

⑤横になれない・座らないと息ができない

⑥肩で息をしている・ゼーゼーしている　　　　、があります。

Q.  コロナウィルス感染症で嗅覚味覚障害になりました。治りますか？

　80％くらいの方は1ヶ月以内に軽快します。残りの20％の方は、後遺症として嗅覚障害が残る可能性があります。4週以上経過して、嗅覚障害が残存する場合はご相談ください。COVID19による嗅覚障害の病態には炎症性変化と嗅神経性傷害、中枢性傷害が混在します。私は、早期治療が望ましいと考えており、ステロイド局所治療を行っておりましたが、最新のシステミックレビュー(Efficacy of topical steroids for the treatment of olfactory disorders caused by COVID-19: A systematic review and meta-analysis. Clin Otolaryngol. 2022)で、ステロイド局所治療の有効性は否定されました。

2022年1月26日　おがわ耳鼻咽喉科医院　小河孝夫